【1月6日のコラム】2018年から恐ろしいことが起こる
Organisation for Economic Co-operation and Development
ご存じでしょうか?
そう、経済協力開発機構(OECD)の正式名称です。
OECDの加盟国は34か国あります。
まずヨーロッパで21か国あります。ざっと眺めて下さい。
イギリス
ドイツ
フランス
イタリア
オランダ
ベルギー
ルクセンブルク
フィンランド
スウェーデン
オーストリア
デンマーク
スペイン
ポルトガル
ギリシャ
アイルランド
チェコ
ハンガリー
ポーランド
スロヴァキア
エストニア
スロベニア
です。
そして、その他で(13か国) あります。
日本
アメリカ合衆国
カナダ
メキシコ
オーストラリア
ニュー・ジーランド
スイス
ノルウェー
アイスランド
トルコ
韓国
チリ
イスラエル
計34か国です。
このOECDの全加盟国が連携して互いに自国民の預金口座の残高や証券口座の情報などを2018年から共有するそうです。
この他にも、日本では、マイナンバー制が導入され、海外財産調書の作成義務が課され、相続税が増税されて、保有資産1億円以上で出国時に含み益へ課税される出国時課税が導入されるなど、最近の一連の改革は全てリンクしていると思われますが、今までとは国の本気度が別次元という雰囲気なんです。
2017年末時点で海外にある財産を各政府が2018年9月までに互いに共有するそうです。
つまり、今日本にお住まいの方で、海外にシティバンクやOECD加盟国に証券口座を持っている方などは、国税庁にそれらの詳細が全てばれるということです。
既に日本では海外に5000万円以上の資産を保有する者は毎年、その内容を国税庁に報告することが義務付けられています。
これに違反して報告しないと逮捕されて懲役を受けることも規定されていますので、注意が必要です。
そして、OECD加盟国だけでなく、バージン諸島、ケイマン諸島、バミューダ、マン島などイギリスが持っている「タックスヘイブン」からも、日本人の情報を得られるよう連携するそうです。
もちろん、納税は法律に従うべきなので、このような取り組み自体は、課税回避を防止するため、国家としては当然やるべき、と言えます。
しかし、注意が必要なのは、これまでは海外に財産を飛ばせば、飛ばした先では何も干渉されない、というような風潮が確かにありましたが、今後はその風潮は全く通用しなくなります、ということです。
もちろんノミニー(名義貸し)で他人の名義を借りて、実質自分の資産を飛ばしている人は、ばれない場合もあるのかもしれませんが、非常に危険ですね。
国としては、5000万円以上の資産が海外にある人は、報告しなさい!
と言っているわけですから、名義を借りて資産を実質日本人が支配しつつそれを申告していないということがばれたら逮捕される可能性が出てきているわけです。
以前は報告義務がなかったので、何億円、日本外へ置いておいても、何ら問題がなかったのですが。
ところで、国税庁は日本人が海外に持つ預金、証券、保険などの金融口座の名義、住所、残高、利子や配当の年間受取額などの情報を詳細に連携することになります。
海外の税務当局から2017年末を基準として、2018年9月までに集めます。
2019年以降も毎年、年末時点の情報を翌年9月までに集約するそうです。
海外当局からオンラインで情報を受け取れるようにシステム化されるそうです。
国税庁はその情報をもとに、日本に住む人が海外の口座で得た利子や配当などの所得を正しく申告しているか確認します。
申告していないと脱税になります。
また、口座の保有者が亡くなったときに、例えば子供や妻など財産を相続する人が、正しく日本へ相続税を納めているかも調べるわけです。
さらに、海外駐在中に米国やフランスなどOECD加盟国他、イギリスのタックスヘイブンで銀行口座を開いたサラリーマンなどの口座の残高や動きの情報も18年からは把握されます。
連携していく国家の数は今後増えることが予想されます。また共有範囲も広がるかもしれません。罰則が強化されていくことも考えられます。
私が何を言いたいかというと、米国を中心に、日本も含め先進国は、自国民が海外へ財産を移したり、海外で資産を取得しようとする行為、そして、それらがその後どうなっているのかということを、今後連携して厳しくチェックしていき、報告しないと罰を与える、ということです。
こういうのを知らずに、海外資産やそこから生まれる所得を申告しないとか、日本居住者が死んで、それが海外で相続人に秘密裏に相続されていて日本へは相続税を納めていないとかの事情があると捕まります、ということです。
昔は、日本人のちょっとした金持ちは皆タックスヘイブンに口座を作りに行っており、ちょっとしたブームになっていましたが、今後イギリス領のタックスヘイブンからは日本へ全て開示されるようになりますので、銀行口座開設の需要は一気になくなるでしょうね。セイシェルとかはどうなんでしょう。今後この連携に与していのか。米国はドバイやシンガポールに圧力をかけまくっているそうで、米国人はシンガポールやドバイで面倒くさがさられて証券口座とか作られせてもらえないことも多いです。一方圧力受ける割にのらりくらりとシンガポールもドバイもかわしていますね。
そして、ノミニーにしている人がどうなるのかは、私には不明です。
私は脱税を勧めているわけでは全くなく、むしろ日本の国税庁は世界で最も優秀で恐ろしいと言われているぐらいですから、知らずに脱税したとか違反したとかってことにはならないように気を付けて下さいね、ということです。
話をまとめますと、海外資産に干渉されたくない場合は、5000万円以下なら報告しなくても良いとのことなので、そこのライン上限を守ることしかないです。あるいはもう、海外移住するしかないんです。
ちなみに、シンガポールや香港、ドバイが連携国家に入っていないのは、やっぱりよく考えると、すごいですね。
いずれは皆参加して連携していくのかもしれませんけど、今のところ情報共有しない。するとOECD以外のシンガポールとか香港はますます人気が出そうです。
これらの超先進的タックスヘイブンの国家や経済特区は、基本的にクライアントの秘密を、相手が国であろうと、強制力なき限り、開示はしないそうです。
富裕層やクライアント第一なんですよね。だから人気なんです。
ちなみに海外財産報告義務を課せられるのは、日本に住んでいる人の話です。
ところで、日本居住者の定義ですが、住民票の有無とか関係なしに、家や車、家族などの生活基盤があったり一年の過半数以上を日本にいるようなら、住民票がなくても居住者です。
つまり実態として日本に住んでますよね、お宅、って言われると、課税されます。だから私は中途半端に日本へ帰らないんです。怖いです。
ですから私は、実態として海外居住者でなければならないのです。
日本居住者が海外に資産を持つ場合、申告義務がありますが、そもそも私は、日本に家も家族(子供や嫁)も車も会社すらもありません。そして、今年は帰国予定すらないです。
ですので、完全なる非居住者のため、申告義務はないということです。
2018年と言うと、マイナンバー制度の導入や海外財産調書の作成義務、相続税の増税(一説によると相続税は今後70%とかになっていく可能性があるそうです)、有価証券に対する出国時課税、消費税増税、所得税増税など、それら恐ろしい政府の大改革が完結に向かっている頃です。
法の抜け穴を潰し、自国民を囲い込み、そこに大増税を課す、というのは、私の目から見ると、まぎれもないがんじがらめの管理体制だと思います。
もっとも私も国の立場であれば国民にそうします。国民に租税回避されたり、脱税されるなんて話にならないわけです。
ですからアメリカや日本のスタンスは政府の行動としては非常に秀逸で、納得できますし、すごいなと思います。
しかし私は政府の人間ではなく国民なので、さすがに厳しいなと思わざるを得ないです。
もしも、そういうのが嫌だと思うなら自由になれる財力と稼ぐ力、生きる力、語学力などを身につけて、やはり海外へ移住するしかない、のが現実ですね。
これから数年後、その時に気づいてもけっこう遅いかもしれないわけですね。かなりの囲い込みが進んでいると思います。
そう思うと、2017年末まではあと丸2年しかありません。
2018年には、消費税の増税を含め税制の改革が完了しているでしょうし、国民情報の管理もかなり進んでいそうです。
あなたはどう思いますか?